イケメン倶楽部



「…ありがとうございました。」



琉依先輩は心配だからと言って、寮の部屋の前まで送ってくれた。



先輩は頭の上で手を振って小さな子供のように無邪気な笑顔を浮かべて自分の部屋へと帰って行った。










「…ただいま…。」



…って……誰もいないのかな?



真治はどこ行ったんだろ??




「はぁ…」



(疲れたなぁ〜…)



あたしは大きなため息をつくと、キッチンへ向かった。





小さめのお鍋に牛乳を入れて、火にかける。



あたしの家では疲れた時や落ち着きたい時にココアを飲む。



牛乳をお鍋で沸かすのは、料理の好きだったお母さんのこだわり。


いつのまにか、あたしもココアを作る時はお鍋で沸かすようになっていた。












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