イケメン倶楽部



「あの、君達…喧嘩はやめようよ…ね?」
「ほっといてよ!……ってえ…?」
「「あ、葵君…?!」」



あたしが声をかけた女の仔達の叫んだ声のせいで周りの女の仔達が騒ぎだした。



いつのまにか、あたしの周りには女の仔達ばっかり。


身動きがとれない状況になっていた。




「葵く〜ん!こっち向いてぇ♪」



そんなこと言われても………



いざとなってこういう状況になってみると、中学校の時人気だった先輩や芸能人がどんなに大変だったか分かる。



あたしはこの状況で笑顔一つ出来ない……




まぁ、しなくてもいいのかも知れないけど、もしここで笑わなかったせいで倶楽部の写真を買いにきてくれる人が少なくなっちゃったら困るし……




「皆…仲良くしてね?」
「「「「キャーッッ!!」」」」



ぎこちないながらも浮かべた笑顔で周りはますますうるさくなってしまった。




どうしよっかな〜……



もし、あたしが本当に男子だったら、この仔達をどかして逃げることも出来たかも知れないけど……



あたしは格好がいくら男子でも力は普通の女の仔な訳でして…





この状況をどうすることも出来ない。










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