甘味処
・・・・・・・・・







「叶愛、帰り送るから。」


宙が靴をはきながら言ってきた。


確かに…けっこう暗いけど別にこれくらいはだいじょうぶだし…。



「あ…いいよ!あたし、今日行くところあるし。」


それに、今日はお母さんの仕事場を手伝う約束してるしね?



宙は少し顔を曇らせたけど、
なぜか校門のほうをみてすぐにいつもの顔にもどった。



「んー。まあ大丈夫かな。」


「?」

校門までくると宙は
少し悔しそうな顔をしたあと、笑った。


「じゃ!また明日!叶愛!」



明日、宙といつものようにしゃべれるんだ。


そんな安心感があたしを包み込んだ。



「うん!また明日っ!」



あたしも元気いっぱいに笑った。

手を大きく振って、


子供の時にみたいに。





「宙…大好きだよ。」





たとえそれが、恋でなくても…


あたしは宙が好き。




それは確かなんだから。






すっきりした気持ちで深呼吸して



あたしはお母さんの仕事場に向かった。





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