甘味処
俺は女子に聞いて、自分のふがいなさを思い知った。


俺がいたから...叶愛は傷つけられた...。
まさか、いじめがあって...
そこまで叶愛が気づ付いてるなんて…ッ。


俺が動けば叶愛を傷つける...。


だったら...



「芦田、少しいいか?」


...芦田宙。叶愛と幼馴染。
お前に叶愛を任せるのは嫌だけど…。


「なんだよ。俺、お前に話しかけられる覚え...ないんだけど?」


相変わらずうぜーな。お前は。
変わってねーし。

だけどここでキレれねえ...叶愛のためにも。


「叶愛...いじめられてんだよ。お前も少しは違和感あんだろ?」



「まさか...本当にッ!!」



宙はずいぶん驚いてるみたいだった。そりゃな。



「ほんとだよ。」



「...。お前のせいなんじゃねーかよ。」



「・・・・・あぁ。そうだな。だからお前が叶愛を助けてやれ。俺が動けば...叶愛が苦しむんだよ。」



「ッくそ!!」



宙は走って女子のクラスに向かった。


俺が行きたい...でもできない...。


でも叶愛は、一人でも言えるようにならないとだめだ。
たぶん...ずっと城田の事を頼ってただろうから...。



だから俺は女子に言った。

あの女子達は叶愛のことを悪く思ってないらしいから、きっとうまくいく―――。




がんばれ。叶愛...
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