ラベンダー畑に想いを寄せて




少し前まで、何の不安も悩みもなく和也の家に遊びに行っていた時を思い出していた。








「和也の匂い……やっぱり、落ち着くね」




「ん?ラベンダーの匂い?…なら、手術が終わって退院したらラベンダーを見に行こう。旅行……しような」








和也の優しさが体全体に染み渡る。




いつもなら素直に返事出来ない私だったけど、この時だけは素直にその言葉に頷いた。






ラベンダーが一面に咲く風景を、絶対一緒に見に行こうね。







だから、祈っていてね。






……待っていてね。











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