ラヴレス
信用してやれない自分も、変貌しうる智純も、キアランは嫌悪した。
今は純朴な目が、いつ強欲な魔女のような目に代わるかと、恐れ歪み、嫌悪ばかり感じている。
(―――あぁ、早く会いたい)
キアランが心から信用し、傍に居るだけで癒されるイトコと、そして叔父上の笑顔を、遠い異国で乞うている。
それらがなくなれば、金ばかりが動くこの世界でしゃんと立っていられる自信などなかった。
(―――叔父上、もうすぐです)
貴方が夢にまで見た「娘」に、会わせてやれる。
それだけを糧に、キアランは自身への嫌悪と罪悪感を押し留めていた。