ラブ☆ヴォイス
「あっ…えっと…あたし、唯です。三井唯。」
「あー興味ない。」
「え?」

 興味ない?今、とてもいい声ですごく酷いことを言われた気がする。

「俺、ご近所付き合いとかしないタチだから。生活リズムも一般人とは合わないし、多分顔合わせることもほとんどないと思うし。」
「あのー…一ついいですか?」
「なに?」

 また不機嫌そうな顔をされてしまう。…あっくんなのかなホントに、と疑うくらいには別人に見える。それでも意を決して、唯は口を開いた。

「…あっくんって二重人格?」
「なわけねーだろ。」

 決死の質問もあっさりと切られてしまう。唯も負けじと喰らいつく。

「だってラジオとかと全然違う…。」
「そりゃラジオとかで素は出さないだろ。イメージとかあるし。」
「えぇ!?じゃああたし、騙されてたのっ!?」
「なにお前…俺のラジオとか聞いちゃってるわけ?」

 ちょっとバカにするようなからかうような声にムキになった唯が悪い。反射みたいに言葉が出た。ずっとずっと温めていた想いが、そのままするりと言葉になって。


「だって好きだからっ!」


 …って違う!間違った!言ってることは嘘じゃないけど、初対面でいきなり言うことじゃないよあたし!
 そうは思っても、一度口から出た言葉を戻すことなど誰にも不可能だ。慌てて口を押さえるものの、出てしまった言葉は当然あっくんの耳にも届いている。あっくんは目を見開いて驚いた顔で唯を見つめている。

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