ラブ☆ヴォイス
* * *

「あれー…今日の声優しいなぁ…。って、当たり前か。」

 『先生』に吹き込まれる声が異常なほど優しい。…それもそのはず、か。想う先には、彼女がいるから。

「…にしても、こぉんな甘い声出しちゃうんだもんなー…唯ちゃんもハニメロでドッキドキ、だね。」

 唯ちゃん。…君に会いたいよ。会って思いっきり褒めてあげたいし、祝福してあげたい。ねぇ、今はたくさん笑えてるんだろう?あの日、あんなに流した涙の果てに…やっと届いた想い。
 今、君はどんな顔してるのかなぁ?きっといつもよりもずっと可愛い笑顔で笑ってる。もちろん、御堂の隣で。

「…あぁー早くラブラブな二人を邪魔しに行きたいんだけどなぁ…。」

 残念なことに亜実が来るまで仕事詰めでとてもじゃないけど休めそうにない。…亜実のために休みを作ったからなんだけど。

「亜実と一緒に…会いに行こうか。」

 亜実ならきっと、会いたいって言うに違いないから。

「…早く会いたい。」

 幸せな人を見ると、大切な人がそばにいる人を見ていると…

「会いたくなるもの、だよね。」

 これで安心だよ。彼女がそばにいてくれるなら、ね…御堂。
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