ラブ☆ヴォイス
「あっくん…。」
「化粧、上手いんじゃね?」
「え、あ、ホントっ?」
「嘘吐いてどうすんだよ。上手い。つーか…可愛い。」
「へっ…あ…えっと…うん、あ、ありがと…っ…。」

 て…照れる!これはホントにダメ!照れる…顔…熱いっ…。

「顔赤すぎ。何に照れてんだよ?距離?」
「距離もだけどっ…あ、あっくんが『可愛い』とかそんな顔で言うからっ…!」
「だから、甘やかすっつっただろ?」
「いいいい今ぁ?」
「食い終ったんだし、いいだろ?」
「へっ?あ…えっと…っ…。」

 腕が離れた隙に少しだけ後ずさると…ガン!と思い切り何かにぶつかった。

「…たぁ!いったーい!」

 肘をテーブルの角にぶつけた。肘がビリビリする。

「いたー!」
「…ったくドジ。大丈夫か?」

 ちょっと呆れたように笑いながら、あっくんが肘をさすってくれる。
 視線を泳がすと、カーペットの上に落ちた紙切れに目がいった。…あれは一体何だろう?
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