ラブ☆ヴォイス
「…恋…だもん。」

 好きなのに届けられない。気持ちも言葉も、何もかも。声を聞くことは出来る。何かのモノを通してならば。ファンレターだって送れる。返事は来ないけれど。

 …普通の恋愛ではないことくらいは、唯だってちゃんと理解している。
 華も光も現実を見ろと言う。それが唯の幸せだからと考えてくれていることも分かっている。二人が何を考え、どのような気持ちでそう言ってるのかも分からないほど子どもであるつもりもない。だけど。

「あっくんのことしか考えられないんだもん…。」

 零した言葉は街中の煩さの中に紛れていく。

「…久しぶりに…ちょっとだけへこんだかも。」

 ちょっといじけたような声になったことにも唯は少しへこんだ。

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