恋に落ちた、この瞬間。
まおが布団を掴み、飛び起きた。

飛び起きる…… と言うより“跳ね起きた”と言った方が近い。

コイが水面に跳ね上がった時の様だった。


「まお、どうした」


さすがの俺だってまおが跳ね起きたんだ。 驚くに決まっている。


「やぁー」


ベットの隅にジリジリ下がっていく。

まさか俺って、相当“警戒”されている?



「まお?」


「やだやだ、来ないで……」


来ないでとか…… スッゲー、傷付くんすけど。

そんな警戒しなくたっていいだろ?


「やだー」


ヤバい!! グサグサッて矢が刺さった。

俺って以外と“デリケート”な人間なんだからな。



「まおっ!」


つい、怒鳴りつけてしまった。

警戒しているまおに怒鳴りつけるなんて最悪だけど……。

声をあげてしまった。


「……… いっくん?」


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