恋に落ちた、この瞬間。

始まりのメロディー。

そんな事を他のヤツが?

……… 信じらんねー。


「母さん、ムカつくけど…… サンキューな」


「一言、余計」


全てを分かりきっていたのか…… どこか、満足そうな顔を浮かべている。



まおが俺に向けてくれるあの大きな瞳で、俺を映してほしい。

小さな体が震えるなら、全力で守ってやりたい。

ミルクティーだって…… 作ってやる。

恥ずかしいが…… “いっくん”ってその呼び方。 まおだったら許せる。


いつもまおに強く怒れなかったのは……。

――― まおが好きだったから。


俺だけに見せた ――― 泣き顔。
安心したかのように掴んできた服。

知らず知らずの内に。
俺は、あの大きな瞳に恋をしていたんだ。



まおに再会した高校1年の春。


俺に向けてきたあの瞳……。

その瞬間、俺はオチタに違いないな。


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