続・天使が舞い降りた。


「…大丈夫よね? ねぇ!!」

美紀は俺の体を揺すぶった。

「…」

俺は何も答えることができないまま俯く。

「何で? 何でこんな…」

美紀が頭を抱えて床に座り込んだ。

そしてもう1つの足音が近づいてくることに気づく。

現れたのは俊介。


「潤一、凛は?」

俊介も慌てて病院に駆けつけてきた様子だった。

髪も服も雨でびしょ濡れだ。

「…中」

俊介は治療室の「手術中」の点灯を見て、立ち尽くしたまま。

やがてゆっくりと口を開いた。

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