悪魔? or 天使?(上)




「そんなことない。

美玲ちゃんの心は穢れてなんかないよ。


僕なんかよりよっぽど綺麗だ」



「そんなの綺麗事だよ」



「違う。だって美玲ちゃん」



そこで優斗君は優しく微笑んだ。



「こんなに相手のことを想って泣いてるんだよ。

それってなかなかできないことだと思わない?

きっと僕ならその人を恨んで、悩んで、立ち直れないと思う」




「でも…」



「美玲ちゃんはとっても強いよ。

今もこうして生きていられるんだから。

綺麗事に聞こえるかもしれないけど、これが僕の本心だよ」



優斗君の言葉が耳に焼き付いて離れない。



それはエーテルのように心に染み渡り、

涙腺を緩ませる。




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