悪魔? or 天使?(上)
「お前さ、何でそんな笑い方すんだよ。楽しくないんだろ?見てるこっちまで気分悪ぃよ」
思わず唖然としてしまう。
一瞬、時が止まった気がした。
「さっきだってカラオケに誘われた時。すっげぇめんどくさそうな顔してた。あの女は気付いてないみたいだったけどよ」
色褪せた視界が、モザイクの掛かった砂嵐のようにぼやけていく。
「そんなこと……」
「ホントか?」
黒崎の目は揺らがない。