CHERRY BLOSSOM
冬真は、なんて返事したんだろう。そりゃ、いいに決まってるか。
明るくていい子そうだし。冬真好みの活発な感じの子だったもん。
「よ、よかったじゃん?卒業式に告白されて。あ、ほら!告白されたの陸上部の子でしょ?」
「春花」
「い、いいんじゃないっ?高校も一緒だし?ずっと一緒にいられるじゃん」
やばい、なにペラペラ喋ってんの。あたし。惨めすぎるじゃん。
ああもう、どうしよう。鼻が詰まって痛いじゃんか。
「登下校だって一緒にできるし、もしかしたらクラスだって一緒になるかも!そしたら、そしたら…っ」
なに、言ってんだ。これって全部あたしが望んだことじゃん。
「春花っ」
言葉が途切れたタイミングを見計らってか、冬真があたしの手首を掴んだ。
「こっち、向けよ…!」
「……やだ」
絶対、無理。
「何で泣いてんだよ!?」
掴まれた手首を強く引っ張られて、あたしは冬真の胸に引き寄せられた。
「な、泣いてなんか…っ」
慌てて、片方の手を頬にあてれば、何故か指に滴る雫。生暖かい、これはなに。
あたし、いつのまに泣いてんの。