いちばんの星 -side episode-


長い廊下を歩いていくと、徐々に中庭が見えてきた。



(一体中庭で何が見れるのかしら?)



知らず知らず、ラナの歩調は速まる。



その時、中庭にある池の側にチラリと人影が見えた。



目を凝らしてよく見ると、

「スティーク様…」

ひとりはスティークだった。



もう一人は…



ラナがよく見ようとした目を凝らした時、ふいにスティークがこちらに振り返った。



とっさにラナは廊下の柱の陰に体を隠した。



しかし、冷静に考えればあの位置からこちらが見えるなんて事は考えにくい。



ラナのようにもともと見る気でなければ、だ。



ラナはゆっくりと柱の陰から顔を覗かせた。
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