いちばんの星 -side episode-


「え?」



スティークの言葉に、ラナは間の抜けた声を上げた。



「だから、彼女は恋人じゃなくて俺の姉だよ」

「お姉…様?」



コクリとスティークは頷く。



そして少し呆れた表情を浮かべながら「やっぱり誤解していたんだね」の呟いた。



(お姉さん…嘘…だって)



「だっ、抱き合ってたじゃないですか!!」



顔を真っ赤にしてそう叫ぶラナに、スティークは目を丸くして固まる。



ふたりの間に何とも言えない沈黙が流れる。



「ぷっ…」



先に沈黙を破ったのはスティークの笑い声だった。



顔を真っ赤にして目をぱちぱちとさせているラナの前で、これでもかという程にスティークは笑い出したのだ。
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