いちばんの星 -side episode-


「スティーク様っ」

「ごめんごめん」



笑いをこらえながら、スティークは目の前のラナを見つめる。



(やきもち…かな)



そう思うと、自然と顔が綻んだ。



「確かに抱き合ってたかもしれないけど、姉弟なんだから悪い事じゃないだろ?」

「……」

「姉さんが両親に結婚を反対されたらしくて、俺に説得してくれって頼みに来たんだ。

断って帰ろうとしたんだけど腕を掴まれてね。

しぶしぶ了解したら抱きつかれたんだよ」



そう言ってスティークは肩をすくめて見せた。



ラナは、ゆっくりとあの日の光景を思い出していた。



確かに今の話はつじつまが合う…



という事は……
< 34 / 107 >

この作品をシェア

pagetop