いちばんの星 -side episode-
ラナが思いを寄せるのは、近衛隊長でヴェルヌの親友でもあるスティーク。
心優しく、城の使用人達にも密かに人気がある。
「そう、なの…」
ラナの真剣な様子に思わずミュリエルも黙り込んでしまう。
「…お茶でもいれるわ。飲みながらゆっくり話しましょう」
重苦しい空気を何とかしようと、ミュリエルが立ち上がろうとした。
しかし、それをラナが静止する。
「駄目よ。あなたはもう国王様の婚約者なのよ」
「でも、ここは自分の部屋だから…」
そう言いながら尚も立ち上がろうとするミュリエル。