いちばんの星 -side episode-
『幸せ』それはラナがずっと憧れ続け、そしてずっと考えていた事だった。
「…私は」
ミュリエルのように心から愛する人と結ばれたい、何度もそう思った。
しかし、そんな事はごくまれなのかもしれない。
愛する人が自分を愛してくれる、これは奇跡のような事かもしれない…
「……幸せになりますっ…」
私はその奇跡に巡り合えなかったけれど…
「幸せになりたいっ…」
愛する事ができるかもしれない人と巡り合えたから…
だから……
「明日の朝、城を出ます…」
もう…あなたを振り返らない……