いちばんの星 -side episode-
ラナの部屋の外では、ミュリエルが必死に涙を堪えていた。
ラナは最近ミュリエルを避けていた。
ミュリエルが話したいと言えば何かと理由をつけて断り続けていたのだ。
ミュリエルと話せば決意が鈍る、そう思っての行動だった。
しかしどうしてもラナの事が気になった、ミュリエルは、こっそりエルトに相談していた。
使用人頭であるエルトなら、ラナが城を辞めるという事を知っていても不自然ではない。
まさか、エルトがラナの気持ちの気付いているとはしらなかったが……
ミュリエルはラナの泣き崩れる姿を見ながら再び涙を拭いた。
その美しい水色の瞳には、強い決意の色が表れていた……