隣のキミ


「瑠実っ」


HRも終わって
帰り支度をしていた。

私は中学から付き合ってる
彼氏がいる。
同じ高校に入学して
クラスは違ったけれど
できるだけ一緒に
帰ろうと約束していた。


「お待たせ」


彼の名前は
谷口将吾(タニグチショウゴ)
少し束縛の激しい不良少年。


「クラスどお?」

「俺的に無理」

「ははっ決め付けるの
 まだ早いって」

他愛もない話をして
帰っている帰宅途中
ふと見かけた隣の席の
あの男子生徒。

彼女らしき女の子と
笑いながら一緒にいた。
ロングヘアーの
パーマがかった髪で
細身で小さい可愛い子。
手も繋いでいたし
絶対と言っていいほど
彼女だろう。


『彼女いるんだ。』
心の中で呟いた


学校では見せなかった
彼の笑顔に少しだけ
片岡遼という男が
ただの無表情男だとは
思わなくなった。


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