僕の初恋(仮)
27日


雪が降った。


吐く息は白く、足元も白い。


一面白に覆われていた。




午前中から一日中、部活。

夜からは塾だ。





「あー、塾面倒くせ」


「俺も冬期講習だわ」


学校、部活といつも一緒な俺達だが、塾だけは違う。


俺は家の近くの塾に通い、ヒロは隣町の大手進学塾、カズマは家庭教師だ。


電車で通うヒロは、恨めしそうにカズマを見やった。


「家庭教師っていいよな。家で待ってりゃいんだろ?」


「でも、やる事は一緒だぜ?親いっから抜け出せねーし」


「お前すぐ抜け出すもんな。まぁ、だからお前のかーちゃんは家庭教師にしたんだと思うぞ、うん。」


更にヒロは、周りに人が居ない事をいい事に、大きな声で話す。


「しかも美人なお姉さんに教えて貰えるなんて、、、いーなー!」


「美人じゃねーし」


ただの大学生だよ、と呟くカズマは、やけに無表情だった。



「冬期講習の先生が美人のお姉さんでありますよーにー」

「ヒロ、お前うっさい」


俺達3人は、いつものように笑い合った。
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