BANG!!
剣士と銃使い
入国
深い森の、舗装された細い一本道をすごいスピードで走る大きなトラック。
その荷台には大小様々な積荷がびっしり乗せられている。
「ねーえー」
少年よりも多少高い声が積荷から聞こえた。
否、聞こえてきたのは大きな積荷の後ろにある狭い隙間からだった。
「今度の国では車買おうね」
小さな段差があるたびに両側から押し潰される。
そんなちょっとした空間に、ぽちゃぽちゃとした体躯の人間がいた。
こげ茶色の短い髪は寝癖であちこちにはねていた。
髪よりも薄い茶色の瞳が目の前の荷物を見つめ、返答を待つ。
「俺は運転しない」
きっぱりと言ったのは、成長しきった青年の声だった。