夢の住人

ラジオを乱暴に消して眠りについたのだが、実は寝れなかった。
勇気を120%出した人間がすぐに眠れるはずもなく、暇潰しに昔買った本を読みあさっていた。


中学生の時に一時期、詩を書くことにはまり、自称ポエマーなどとぬかしていた時に読んでいた一冊の本が出てきた。


銀色夏生さんの
『あの夏は空の中』 という詩集である。


何気無くページをめくり、ぼーっと眺めていた。


「ん?うんめい?」


この本の中に
『運命に逆らって』
という作品がある。



【タロットカードは最悪だった。


あきらめた方がいいと言われた。


強力なライバルが出現するとでた。


ドキッとした。


雑誌の星占いを見た。

深追いはキンモツと書いてあった。


ため息がでる。


何もかもひとつもいい材料がない。


どうしよう。


どうしようか。


私たちがうまくいかないのは運命なのかな。

でも、


運命に逆らってうまくいけば、気分いいな。

そうだ。私は運命に負けない。


今は、どんなことを言われても、負けない。

だって、運命よりもあの人の方が大事だもの。】





ボクには、大切なキーワードが、この詩に隠されいた事に気が付いた。


そうだ、運命に逆らってみよう!




私は運命に逆らう為に計画を考えたのである。それはまた、実行しながらお伝えしていこう。



そう、今日がその計画の第一歩だった。
物の見事に成功した。
これで堂々と彼女に電話が出来る。


今日は金曜日
明日は土曜日


知らず知らずに自然と顔がニヤけていた。

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