心臓に悪い料理店

「飲食店ですか? 興味はありますよ! 今、興味を持ってるのは一度に皿を何枚洗えるかってことですかね!」

「一度に皿を何枚も洗ったら、汚れが取れなくて意味ないから。で、飲食店に興味あるんだな」

「はい!」

「ぶっちゃけて聞くが、俺の経営する飲食店で働いてみないか? 俺がそこの店長もやってるんだけどさ」

店長の言葉に、ダニエルは驚いたように顔を向けた。

「ほ、本当ですかっっ!!」

「ああ。どうだ? 働いてみるか?」

「はいっ! 是非、働かさせて下さいっ!」

大きく頷いて、ダニエルは素早くベンチから立ち上がって頭を店長に向かって下げた。
その言葉を聞いた店長は口元にニヤリと笑みを浮かべた。

「よし、決まったな。じゃあ、早速行こうか」

すっくとベンチから立ち上がり、店長はダニエルの肩に手を置いた。

「え? ど、どちらに?」

「もちろん、俺の店にじゃないか」

キラキラと輝く笑顔で店長は答え、ダニエルの手を掴んだ。
その時だった。

ぼとっ



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