太陽の下で





「傘、入りなよ。」





「え、いいよっ俺もうびしょびしょだし。」





「今までびしょびしょなのとこれからびしょびしょなのは違うの!」




「…え?」




訳の分からないことを言うと、

彼女は俺の手をつかんで傘に入れてくれた。


彼女の身長に合わせた傘の高さは
俺には少し低く、

首を曲げないと頭に当たってしまう。





「ね?傘おっきいから大丈夫でしょ?」




確かに

もともと二人用なんじゃないかって思うくらい大きな傘。





あと1人くらいははいれそうなスペースさえある。





「じゃあ…おじゃまします。」






「どうぞ、いらっしゃいませ。ごゆっくり。」




そんなことを言い合いながら

また2人で笑った。




< 10 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop