そのオトコ、要注意。
chapter1

それは坂道の途中で



ピピピピピ―――


「美羽ーッ!目覚まし鳴ってるわよー!!」



ピピピピ――バンッ

「…んあ」

眠いままの体を欠伸しつつ仕方なしに起こす。


笹原 美羽(ササハラ ミウ)

それがあたしの名前。


……じゃなくて!
今日から学校じゃん!
寝ぼけてる暇ないんだった…けど、眠い…


そこでドアが開く。


「もう!美羽?!
今日から新しい学期でしょーが!ほら、ベッドから出る!」

「あ。おかーさんオハヨー。
朝ご飯、ナニ?」

開口一番にそれを気にしたあたしに呆れる母。

「この子は…。
早く顔洗って来なさい。それからよ」

ちなみにあたしは自他共に認めるほど、食欲旺盛だ。
ダイエットなんて言葉、信じられないよね。


あたしは洗面所までダッシュした。



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