Bremen

日出ずる国へ……

 


「ソナ、何かに掴まってろ!
螺旋式回転衝角、起動!!」

モビィディックの船首が中央から大きく左右に開き、中からはモビィディックの幅と同じぐらいの直径、モビィディックの全長の半分はあろうかと思われる螺旋式回転衝角……つまり、巨大なドリルが出現する!


「すごーいニャ!
このクジラさんの、どこにあんな大っきな角が入っていたのニャ!?」

「その質問に対する技術者の答えは一つ。
こんなこともあろうかと、だ」

スネアは『その質問を待ってました』と言わんばかりに、満足げな表情でソナに向かって答えた。


『愚かな。
いかに巨体とは言え、楽機が禍嗚主に太刀打ちできると思うてか?』

レヴァテリトンが身体の向きを変え、突撃してくるモビィディックを挟み込もうとするように貝を広げて待ち構える!

「このモビィディックが、そんじょそこらの楽機と同じだと思うなよ!
確かに鳴流神や禍嗚主に比べて性能は劣るが、こいつにはハイハットで培った技術の全てが込められてるんだ!
簡単にはくたばらないぜ!
出力全開!!」
ド根性見せたれぇっ!!」

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