Sky Memory
「さて、と…上手くいくかなぁ」

 貴方は私にとって愛しき人。
 大好きで、好きでたまらなくて、
 どうしようもなく、狂おしいほどに
 愛してた、私の大事な・・お兄ちゃん。
 

 一年後には私、恋してるのかな?
 忘れていい?忘れられる?
 貴方を、兄を、姉を、みんなを、
 リセット出来るかな?...なんて。

 今だに想い出してるのに、何言ってんだ自分。



「って、のりっつっこみかい・・」
 笑みと溜め息混じり。


「とりあえず・・行ってきますわ。」
 空に向かって一言。踵を返して坂を下りた。
走り出す足、体は意外にも軽かった。


 嗚呼、大好きだった。いや、今だって。
 言葉で表すなら"愛してた"だけれど。

 ごめんなさい、ありがとう、元気?
 頑張ってるよ、今日も。


 伝えたい言葉はたくさんあるけど、
 もう逢えることは多分、..ない。

 後悔はあるっちゃある、でもない。
 アレは私が招いた結果、最悪な事態。
 覆せず、受け入れること..それしか術はなかった。
 貴方は逃げた、でも私に逢う資格も追う資格もなかった。
 狂っていた私に追う資格はないでしょう?

 今でこそ"ある"と信じてるけど、どうだか。


「好きだったけんね、自分は。」



 今日も世界は廻り続ける、其処に意味はなく。
 ただ意味もなく廻り続ける。



 何か意味があると知ったその時は
  私と世界が変わったとき。
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