KING CASTLE
学校から出て15分。
あたしの歩く、2メートル程後ろには、伊吹がいた。
「じゃああんた、あたし抜かして行け!」
「あ?なんでてめぇに家の帰り方を決められなきゃいけねーんだよ」
「あたし歩くのとってもゆっくりにするから!普通に歩けば抜けるわよっ」
そう言いながら、歩く速度を弱める。
これでどうだ、そう後ろを振り向くと、まだ伊吹は2メートル後ろにいる。
「ちょっと!」
「なんだよ?俺は自分のスピードで歩いてるだけだ」
明らかにさっきとスピード違うでしょうが!
ギロっと睨みつけると、溜息を零す。
「お前、後ろなんか気にしてねえで歩け。不審者でたらどうすんだ」
「あたしは襲われる心配ないんでしょ!」
「襲われるわけないだろう、お前が。でもチビの童顔の中学生好きな不審者はいるかもしれない」
「誰が中学生だ!」
イヤミを言うつもりで言ったのに、それすら手玉に取られて終わり。
このエロ野郎は口が達者すぎる!