KING CASTLE

学校から出て15分。

あたしの歩く、2メートル程後ろには、伊吹がいた。


「じゃああんた、あたし抜かして行け!」

「あ?なんでてめぇに家の帰り方を決められなきゃいけねーんだよ」

「あたし歩くのとってもゆっくりにするから!普通に歩けば抜けるわよっ」

そう言いながら、歩く速度を弱める。

これでどうだ、そう後ろを振り向くと、まだ伊吹は2メートル後ろにいる。


「ちょっと!」

「なんだよ?俺は自分のスピードで歩いてるだけだ」

明らかにさっきとスピード違うでしょうが!

ギロっと睨みつけると、溜息を零す。


「お前、後ろなんか気にしてねえで歩け。不審者でたらどうすんだ」

「あたしは襲われる心配ないんでしょ!」

「襲われるわけないだろう、お前が。でもチビの童顔の中学生好きな不審者はいるかもしれない」

「誰が中学生だ!」

イヤミを言うつもりで言ったのに、それすら手玉に取られて終わり。

このエロ野郎は口が達者すぎる!


< 13 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop