ツンデレ★王子 -2nd-
その浴衣はどんどん明りがない方へと進んでいく。

途中で見失ってしまうほど、暗い茂みの中へ…


「あれ…確かこのへんに行ったと思うんだけど」

「愛里ちゃん!戻ろ!危ないよ!」


神谷くんが何を言ってもあたしは前へ進んだ。

この先に先輩がいる気がした。


ガサガサ……


少し奥で誰かの話し声が聞こえてきた。

あたしはそっと茂みから覗いた。


「あ!先輩とリンカさんだ!」


二人を呼ぼうとしたときだった。

リンカさんが先輩の頬に手を当て、唇を近付けているのが目に入ったのだ。
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