忘却は、幸せの近道

回避と実依の彼氏

「梨依。」


卓は、私を見つけるとみんながいるというのに私を抱きしめた。


周りから悲鳴と冷やかしの声。


「卓、離して。」


私は、耐えれなくなって卓を見上げながら言った。


「あぁ。」


卓は、掠めるぐらいキスをしてから、離れた。


卓、どうして?


「卓先輩、そこまで周りに牽制しなくても。」


実依は、苦笑い。


「じゃあ、俺もしようかな?」


いつの間にか、実依の隣に男の人。


「惣くん、やめて。」


えっ?


実依の彼氏?


てか.....


「てかさ。
卓の彼女って、りっちゃんだったのか。
しかも、りっちゃんって、実依の姉だったんだな。」


「惣一くんって、卓の友達で、実依の彼氏なの?」


私と惣一くんは、同じぐらいビックリしながら聞いた。


実依と卓は、わかっているみたいだけど。


聞かされてなかった私と惣一くんにしたら、まさかの再会で。


「とりあえず、どっか行こうぜ。」


卓のさっきまでの機嫌の良さは、消えて不機嫌。


「近くのカフェに行きましょうよ。」


なんだか、実依も不機嫌?
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