忘却は、幸せの近道

片思い

先輩は、優しく手当してくれた。


見た目と違い、てきぱきと手当。


クールで冷たい人。


見た目通りの先輩だから、人気があるんだなんて思ってた。


けど、違ったのかな?



こういう優しさがツボなのかな?


手当されながら、ドキドキしてる自分に気づかないフリをしながら、そう思っていた。


てか、気づきたくない。


気づいちゃダメ。


絶対にうまくいきっこないから。


これは、先輩の気まぐれ。


勘違いしちゃいけない。


大丈夫。


大丈夫。


私は、恋を知らないから。


男の人は、怖い。


それでいいじゃない。


梨依ちゃんに運命の相手が巡り会えるまで。


信じれないから。


梨依ちゃんで信じたい。


誰も気づかない心の闇。


誰も覗かないで。


誰も知らなくていいから。


私は、大丈夫。


家族がいるんだから。


何不自由なく暮らせるんだから。


悩む必要なんてない。


恵まれている環境なんだから。


無理に悩みを増やすことはない。
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