忘却は、幸せの近道

初対面

「えーっと、まず、挨拶か....」



梨依をベッドに寝せて、そのまま病室にて、話をすることになった。


梨依の病室は、個室で。


てか、普通の個室より広いんだけどね。


だから、テーブルとソファなんかあるんだ。


言わば、VIPルーム。


それは、いいとして。


ソファに座るなり、梨依の一番目の兄さんが段取りを考えてるようだ。


「私と彼は、あなたたちのことを知ってますよ。
右から、梨依ちゃんの一番目のお兄さんの壱さん。
次が、壱さんの奥さんの沙奈さん。
次が、二番目のお兄さんの十和さん。
次が、三番目のお兄さんの百輔さん。
次が、妹さんの実依さん。
そして、弟さんの千里さん。
梨依ちゃんから、聞いてますんで。」


「そうですか.....」


一番目の兄さんは、戸惑ってる。


「それで、私は産婦人科医の伊藤 春奈と言います。
で、隣が旦那の弟の卓です。」


「あっ!
あぁー。」


突然、梨依の妹が俺に指を指して叫んだ。


なんだ?


「実依どうしたんだよ。」

三番目の兄さんが嫌そうに妹さんに聞いた。
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