忘却は、幸せの近道
姉さんが、痺れを切らしてチャンスをくれた時だ。


話しかけただけで、つきあってるって噂になったんだ。


俺は、曖昧にごまかし否定しなかった。


梨依もそうだったようだ。


そのおかげで周りから恋人同士と噂された。


実際に、病院に行く日は一緒に行ってたわけだしな。


勘違いされても仕方ない。


梨依も嫌がってるわけじゃないし。


それが、嬉しいのもあったし。


ちょっとずつ、梨依の心の中に入り込んで、俺だけのものにしたい。


そんな欲求が、日に日に増してった。


梨依に告白した日は、まさにそんな欲求が爆発した日でもあった。
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