忘却は、幸せの近道

一番目の兄VS俺

「君は、何しにきたんだ。」


冷たい目で見る壱さん。


歓迎されてないみたいだ。


仕方ないか。


妹の彼氏という立場だから。


俺が、壱さんと会うのは、一週間ぶりだった。


毎日、病院にきていたから、いずれ会うとは思っていたけど。


「梨依に会いに来ました。」


本当は、動揺してるけど冷静なふりを保ちながら答えた。


「君は、毎日きてるようだね。」


壱さんは、愛しそうに梨依の髪を撫でていた。


兄妹ながら、妬けてしまう。


「はい。
目覚めたときに、一緒にいたいから、時間のある限りきています。」


「ふ〜ん。
ヒマなわけ?」



冷たい。


マジで、冷たいよ。


「ヒマとか忙しいとかは、関係ないです。
俺が、梨依に会いたいからくるだけで。」


「ふ〜ん。
そんなに梨依が好きか?」

「はい。
好きすぎてヤバいくらいです。」


偽りなき思い。


壱さんに伝わってくれ。
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