忘却は、幸せの近道
思い出せない。


家族がいるはずなのに。


家族が思い出せない。


なぜ?


てか、私はなんで眠ってた?


わからない。


暗闇の中から、光を探すのが精一杯で。


その直前の事も曖昧。


ただ、私を卓が救ってくれたことだけ。


どうして?


わからない。


私、記憶障害?


まさかね。


ただ、ずっと卓だけを思ってきてたからよね。


てか、卓の事しか考えてなかったけど。


それに、きちんと起きたら、大丈夫よね。


うん。


元通りになる。


違う。


それ以上よね。


私は、一抹の不安を残しながら、気持ちを落ち着かせた。


卓、早くきて。


早く会いたいよ。


この目にあなたを写したい。


生きてるって、実感がほしい。


って.....


生きてる実感?


変だ。


なにかが、おかしい。
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