忘却は、幸せの近道
-ガラッ



ドアがあいた。


卓?


けど、まだ起きれない。


この部屋に卓以外の誰かがいるから。


「壱さん、お久しぶりです。」


壱さん?


誰?


私は、神経を耳に集中させ会話を聞いた。


「やぁ。
卓くん。
君は、辛くないか?
目覚めない梨依に会いに来るのが。」


「俺は、変わりません。
梨依が目覚めた時、一番に会いたいから。
きっと、梨依も眠りの中で辛いはずだから。」


「君は、強いね。
俺は、耐えきれない。
投げ出すようで悪いが、すべて君に任せるよ。」


そう言って、壱さんと言う人は、部屋を出た。


今は、卓だけ?


てか、泣きそうだよ。


卓の言葉が嬉しくて。


「梨依。」


卓は、私の名前を呼びながら頭を優しく撫でた。


私は、心地よさにゆっくりと目を開けた。
< 80 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop