忘却は、幸せの近道

偽り

これは、嘘だよね。


だって.....


なんでかな?


なんか....


みんなから聞く思い出が変に感じる。


違和感っていうのかな?


私が記憶を取り戻すために、壱さん、十和さん、百輔さん、千里くん、実依ちゃん、沙奈さんが毎日ローテーションで話を聞かせてくれる。


私は、卓のがいいんだけどな。


だって、話がつながらないんだもん。


一部分が削り取られたというか、もとからないような。


あえて、話さないみたいな。


なんで?


どうして、中1の思い出だけ語らないの?


だって、中学を入学とかいい話題があるはずなのに、変じゃない?


それに....


倒れたときの話も避けてる気がする。


やっぱり、なにかあったんだ。


どうして、なにも教えてくれないの?


抱えきれないほどの不安が押し寄せる。


私は、家族にとって、腫れ物みたいな存在?


そう思わずにはいられなかった。


それなら、いなくなりたい。


この世になんか、未練なんて.....
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