金髪の君*完結
「送ってくれてありがと…」
マンションの明かりを背に受け、心が差し出した私の荷物を受け取る。
受け取った荷物を地面に置き、借りているブレザーを脱いだ。
脱いだブレザーを名残惜しみながら、返そうとした私は
「………」
ブレザーのボタン全てが無いのに気付いた。
--忘れてた…
卒業式一大イベント--…
"ボタン争奪戦"
ブレザーのボタンがあった場所には、無理矢理引きちぎった跡の糸屑が付いている。
愕然とブレザーを見る私の視界に、心の手が写ると同時にブレザーは手元から無くなっていた。
ブレザーを着る姿をポケーッと眺める視線に気付いた心は、
「あお?」
心配そうに私を見つめる。
「あっ、ブレザーありがとう!」
どうしても視線が、ボタンがあった場所へと行ってしまう私はごまかすように笑った。
不思議そうに私を見る心の視線を感じながら、地面に置いた荷物に手を伸ばした。
「--あっ…」
荷物を持ち上げ、ある物が視界に入った私は
「しんちゃん…、これもありがと。」
頭を下げ、頭より高い位置に白い紙袋を差し出した。