―百合色―
巻き戻しボタンを押して、一番最初に戻ったなら、
また最初から再生される…

でも再びこのシーンは再生される。

結局同じなんだ。



『何…?』


『…少し距離をおこっか…一ヶ月くらい…そしたら私の気持ちも、光輝の気持ちもはっきりするでしょ?』


マナは真剣な目で俺を見た。

そんなマナを見ると、
俺は何も言えなかった。


ただ頷くだけで、嫌だと言えなかった。


嫌だと言ったら、マナに別れを告げられそうで、

俺は何も言えずに、
マナの意見に賛成をした。


『じゃあ俺…マナからの連絡が来るまで連絡しねぇから…』


『分かった。私が連絡するね…それまで待ってて』


『うん…』


『光輝電車乗るでしょ?行こうよ…?』



『先に行けよ。俺はまだいいから…』



『じゃあ先行くね?バイバイ…』



『バイバイ』


この《バイバイ》が、
マナと付き合っている中で一番寂しい《バイバイ》だった。
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