―百合色―
俺の怒りは頂点に達していた。


この静かな駅に、
俺とマナがいる。


でも昔と何かが違っていた。


それは俺に対するマナの気持ち。

言われなくても分かる。


マナは俺よりあの男が好きなんだろ?


だから俺と目を合わさないんだろ?



俺とマナの間には、ただ冷たい風が行き来するだけ。

会話のない俺達に、《会話しろ》と言っているみたいに強い風が吹く。



何か言えよ…マナ。


また嘘つけよ。

そしたら俺…その嘘に騙されるからさ。



『マナあれは誰だったの?』


今まで静かだった駅に、改札口から次々に出てくる人の足音と、俺の声で満たされる。


『…同じ学校の人』


分かるよ…それくらい。



『どういう関係なの?』


『…光輝…』


もし、ビデオみたいに巻き戻しが出来るのなら…


今すぐにでも巻き戻しボタンを押したい。
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