―百合色―
俺は遠回りをした。

俺は自分の気持ちを偽り、逃げた。


百合は精一杯俺に気持ちをぶつけてくれたのに、

俺はその気持ちに応えれなかった。



でもね?

今は違う。

遠回りした分、気付いたんだ。


人の大切さに。

愛しい人の大切さに。


百合の笑顔を見なければ安心出来ないが、

でも…百合にまた会えるという嬉しさが不安を消す。

俺は走りながら空を見上げる。



『今日は最高の日だ…』



俺は昔、女なんて、どうでもよかった。

遊びとして女を使っていた。

恋愛なんて、くだらないと思っていた。

ただの暇潰しだと思っていた。



君と出会って変わったんだ。


あの日、あの場所で君を見た時から、何かが変わった。


あれは…運命だったのかな?
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