―百合色―
君はどう思う?


《運命》


《偶然》


どっちだと思う?


答え合わせは、また今度。

もう少しで君に会えるから。



俺は全力疾走で街を駆ける。


俺を不思議そうに振り返る通行人なんて目に入らない。


蝉の音さえ、
車の雑音でさえ、
今の俺には聞こえない。


百合のいる病院に向かうと共に、俺は出口へとも向かっていた。


出口の向こう側にある、
《幸せ》という世界へと向かう為。



俺の幸せ、教えて欲しい?


俺の幸せは──…



『…○○総合病院前─…』



『百合…待ってろよ!』


百合に会えるまで、
あと何分?

いや、何秒?


この自動ドアが開いたら、俺は幸せという世界へと行ける。



『─あの!』


俺は近くにいた看護師に問いつめた。



百合に会えるのは…


まだまだ先─…
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