―百合色―
『じゃあ、改めてまた行こ?旅行会社。二人でどこ行くか決めようよ』


『そうだね!』


笑い合う俺と百合。


それを見てタクミは、独り言を呟いた。


『あ~俺も彼女ほし~』


そうタクミが言うと、
周りの人達の視線が一気にタクミへと集中する。


その事に全然気付かないタクミ。


周りをちゃんと見ろよ。


俺は少々飽きれつつ、
残りのオムライスを頬張った。



──…

昼食が終わったあとの授業は眠い。


サッカーボールがあちらこちらに転がる。


足で蹴られながらも、
必死に転がる。


痛いはずなのに、サッカーボールはすごいな、と勝手にサッカーボールの気持ちになって思う。


そう、今は体育の時間。

眠たいが寝れない嫌な授業。

俺は審判で、得点係をしていた。


首を左右に振り、
一生懸命走る生徒たちを見ていた。
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