―百合色―
俺がこの日から、決めた事。

女は信じない──…


誰も好きにならない──…


この二つだ。


でもある人がきっかけで、また俺の恋は始まる。




『坂井君、先生が呼んでるよ?』


中学三年の時、


俺は麻生マナ《あそうまな》と出会った。



…こんなヤツクラスにいたっけ?



俺の中学は、人数が多く、三年間で同じクラスにならない人が多い。


マナとは中3の時、
同じクラスだった。


初めてマナの存在を知る。


『あっありがと』



『じゃあね!』


俺に笑顔を見せ去っていくマナに、惹かれた自分がいた。


一目惚れ?


…やめて。


俺はもう恋なんかしない。


恋なんかしたって、
傷つくだけだ。


芽生えそうな恋を、
押し潰した。



まず俺は先生の所へ向かう。

ちょうど廊下の先に担任がいた。


『先生何?』


『坂井か…ちょっと話いいか?』



『何だよ?』
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