COLORS【藍】 藍暖簾 (with響紀様)

 ―次の日

 空が色濃く染まり月の位置もすっかり高くなった頃、店はいつもものような賑やかさに。


 「いらっしゃい」


 テツと笹部と、その後ろにビッタリとくっついている見知らぬ女が揃って顔を出した。

 女性客が決して珍しいわけではないのだが、派手目の化粧にクルクル巻いた茶髪というより金髪。

 思わず鼻をつまんでしまいそうになるほどの強烈な香水の匂い。

 藍子は、この女と深い関わりにならないほうがいいと直感的に感じた。


 だが、女はテツと笹部と一緒にカウンター席にやってきた。

 仕方ないので他の客と同じように…否、他の客には分からないくらい冷たく接客をした。

 もちろん女もそれに気が付かない。


 「藍子さん、この鍋温めるだけでいい。頼むよ」

 「こんなにいいのかい?」


 大鍋に二つのシシ鍋を手渡されたのだ。



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