社長のご指名
スタッフ全員に頭を下げる。





「いいのか?」





聞いた事のある声が聞こえ、頭を上げると萩原さんが渋い顔で腕を組んでいた。





「………はい。」


「ちょっとこっちに来てくれ。」






輪を外れスタジオの隅に萩原さんと2人きりになる。





「運が悪い…今日はテレビ局も来てる。」


「なんとかします。」


「俺も出来るだけ手伝う。」


「ありがとうございます。」


「フッ…嬉しいよ、また一緒に仕事が出来るなんて………アキ。」

「私もです。」





萩原さんとの話しが終わり、もう一度スタッフに挨拶をしてメイク室に向かった。





「章菜おかえり〜。」





メイク室に入るとヘアメイクをしてもらっていた。





「紫穂、ごめんね。」


「何が?」


「私も紫穂達と仕事する事にしたの。」


「章菜!?」





ゴトンと椅子が倒れる鈍い音と共に紫穂が立ち上がった。




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